人生で大事なことは、全てサイゼリヤで学んだ、その2

こんにちは。トゥモローこと、橋口友比古です。
ウチの奥さんが、今日から3ヶ月ぶりに仕事に出てます。
この3ヶ月は、コロナもあって、
24時間90日間一緒にいたので、
いま、家で一人で仕事してて、
ちょっとさみしいです。笑
ということで、今日はめっちゃ仕事します。
さて。。。
3日連続で、「自分らしさ」と「ビジネス」をテーマに、
記事を書いてます。
◎1、手越くんの評判が、真っ二つに割れている件
https://tomohashiguchi.jp/2020/07/07/reputation/
◎2、SNS疲れをしている人は、「自分」が無い
https://tomohashiguchi.jp/2020/07/08/post-6062/
◎3、人生で大切なことは、全部サイゼリヤで学んだ
https://tomohashiguchi.jp/2020/07/09/saizeriya/
今日は、昨日のサイゼリヤの記事の続きです。
昨日は、サイゼリヤって、ずーっと右肩上がりしてるレストラン。
世界1500店舗まで成長したけど、
理由は、熱心な「ファン」がついているからです。
安いという「機能」でお客さんが来ているのではなくて、
「俺たちの『サイゼリヤ』が、また値下げした!」
と言ってもらえる、「愛着」があるからこその、
右肩上がりだ、って言う話をしたんですね。
実はサイゼリヤって、
『業界初』で始めて、
「今では世の中で当たり前になってること」
を、たくさんやってるんです。
例えばドリンクバー。
20年前は、レストラン業態で「ドリンク」と言えば、
「原価が安いのに、いっぱい300円〜400円という金額が取れる」
客単価アップに欠かせない、
『おいしい』アイテムだったんです。
ですが、サイゼリヤの正垣会長。
「選べる」のが『豊かさ』という定義のもと、
「お客さんが自分でとりにいってくれれば、従業員の効率がアップする」
という理由で、ドリンクバーをスタートしたんですね。
しかも価格が、驚愕の180円。しかも飲み放題。
当時、業界が激震したんですよ。
それだけ常識外れなことだったんですが、
「客単価が下がれば、客数が増えるから、売り上げは増える」の
信念のもと、サイゼリヤはこれを断行しました。
結果、今じゃドリンクバーは、
業界のスタンダードになりました。
例えば、客席テーブルにある、呼び鈴ベル。
あれも、全国チェーンで本格的にスタートしたのは、
サイゼリヤが最初でした。
それまでのテーブルサービスって、
「職人芸」だったんです。
テーブルが、それぞれ、
「いつ頃入店したのか」を把握して、
注文が決まる頃にオーダーを聞きに行き、
食べ終わる頃にお皿を下げに行き、
会計が終わったテーブルをいち早く吹き上げて、
新しいお客さんを招き入れる。
これを同時に、数十席分把握し、
順番にこなす『組立て』をするって、職人芸です。
そしてこれができないと、ホールスタッフとして、役に立たないわけです。
すると「ベテランスタッフがいるかどうか」が、
お店のサービスレベルを大きく変えてしまう。
それを、
「お客さんが呼びたい時にベルを押す」
という仕組みにすることで、
「高校生がやっても、ベテランがやっても、同じオペレーションができる」
ようにしたわけですね。
これも、「豊かさを安く提供する」という理念から始まったものです。
実はサイゼリヤって、こういったマイナーチェンジを、
ずーっと行ってるんですよね。
ここ近年では、
「キッチン面積を2分の1にする仕組みをつくった」
そうです。
店舗ビジネスって、
「キッチン面積を狭くできればできるほど、収益率が上がる」んです。
だって、同じ面積の店舗を借りたとしても、
キッチンが狭くて済むなら、その分、客席を増やせますもんね。
同じ面積から生み出せる売り上げがアップするわけですから、
当然、利益も増えるわけです。
実はスタバなどのカフェ業態が「強い」のは、
これが理由でもあります。
コーヒービジネスは、
1店舗あたりの、「キッチン面積」が少なくて済むんです。
結果、収益性が高いので、チェーン展開がしやすいわけです。
対してサイゼリヤ。
レストラン業態で、
「キッチン面積を半分に減らす」というのは、
『革命』と呼べるくらいのイノベーションです。
ボクがアルバイトしていたのは20年前なので、
今、キッチン内がどうなってるのかはわからないですが、
当時とは別物になってると思います。
おかげで、サイゼリヤは今、
駅前立地の小型店を増やせているそうです。
駅前の家賃が高い物件でも、
小さいキッチンがつくれるなら、採算が取れますからね。
また、郊外店と違って、その後の運転もしませんから、
「お酒を飲みたいお客さん」も取り込めます。
実はボクは、サイゼリヤの真骨頂は、
ワインとおつまみ群だと思っているんですが、
あそこ、めちゃくちゃコスパ高く、お酒を飲めるんですよ。
そもそも正垣会長は、
「イタリアの食文化の豊かさを、安く提供したい」
という思いでサイゼリヤ業態をつくったので、
「ワインも含めた、食事のトータルコーディネイト」は、
ある種、サイゼリヤの悲願でもあるわけです。
こういったことを1つ1つ改良していくので、
収益性が上がり、コロナでライバルが苦戦する中、
169円の商品を150円に値下げする、
という行動が起こせるわけですね。
ボクがサイゼリヤがすごいなあ〜と思うのは、
「理念を形にする努力」を、ずーっとやっているところです。
そしてその努力は必ず、
「定義づけ」から始まるんです。
ボクは正垣会長の講演会を3回受けたことがあるんだけど、
その中で彼が言っていたのが、
「『おいしい』とは何か」って言う話でした。
正垣会長曰く、
「お前らがおいしいっていうものは、
大体、味が『濃い』もの、脂っこいものだ」
と言うんですね。
「でもそんなもんは、毎日食えない。
高級レストランに行って、みんなうまいうまいって言うけど、
あんなの毎日食ったら胃もたれしちゃう」
(会長を慕っている社長と、その社員しかいない場なので、愛のある表現をされてます)
「『おいしい』かどうかは、来店頻度で測るんだ」と。
これ、すごい発想だと思いませんか?
味がおいしいかどうかは、お客さんが週に何回、
自分のレストランを使ってくれているかどうかで測る。
超ぶっ飛んでる発想ですよね。
そしてこう続けます。
「毎日食べれる味というのは、お前らの表現で言うなら、
『まずくはない味』になる」
「だから大体、サイゼリヤがハンバーグを改良すると、
『前のほうがおいしかった』とか言われる」
「そんな意見は聞いちゃダメだ。
おいしくなくなったらなら、もう戻ってこないはずだろ。
でも実際には、来店頻度は上がるんだよ」と。
おいしい=来店頻度
こういった『定義づけ』を、一つ一つしていくんですね。
例えば、店舗レイアウトも、
「最も効率がいいレイアウト」は、
『歩数』で測るんです。
スタッフが歩く歩数が少なくて済むレイアウトが、
最も効率がいいと定義づけて、
レイアウトを調整していくんですね。
例えば、
「良い店長の定義」は、なんだと思います??
普通は売り上げがどれだけ上がるか?ですよね。
でも、サイゼリヤではそう捉えません。
売り上げは、店長の仕事じゃないからなんですね。
サイゼリヤでは、
「売り上げは、商品力と立地で決まる」
「店長の責任じゃない」
という考え方なんです。
これ、シレッと言ってるけど、業界の常識から大きく外れてます。
普通、飲食店の社長って、
店舗の売り上げが落ちてきたら、店長を責めたくなるんです。
でも、売り上げは店長の責任じゃない、とハッキリ定義づけしてるんですね。
じゃあ、店長の責任はなにかというと、
「経費を適切に管理すること」です。
例えば、人件費に関しては、
「人時生産性(にんじせいさんせい)」で測ります。
粗利÷スタッフの総労働時間で出す数値なんですが、
要は、スタッフ1時間あたり、いくらの付加価値を埋めているか?
という数字です。
ダラダラ仕事してたら、下がるし、テキパキしてたら上がります。
人件費で言えば、これを適切に管理することが、
店長の仕事なわけですね。
いい店長=経費を管理できる。
これも定義づけです。
他にも、上でも触れた、
「豊かさとは『選べること』」というのも、定義ですね。
これがあるから、
・ドリンクバーを開発、飲み放題にしてなおかつ価格を下げる
なんてことができる。
グランドメニューにはセットをなくして、
一皿あたりの金額を下げることによって、
『好きな組み合わせで食べてくださいね』
という提案もできる。
女性であれば、サラダとドリアだけ、なんて選び方もできるし、
お酒を飲みたい人なら、食事の前におつまみも、とか、
ハンバーグとライスだけじゃ足りない人は、ピザもどうですか、
というようなことが気軽にできる
『価格帯』になっているのは、
「豊かさとは、選べること」という定義がされているからなんですね。
お店の都合で言えば、
セット販売のほうがオペレーション運営しやすいんですよ。
サラダも付け合わせにしちゃえば、
仕込みの量も大体予想できて、ロスも減ります。
そこをお店側の都合でセットにしないことで、
『豊かさを提供』しているわけですね。
長々とサイゼリヤの話をしてます。
でもボクはこの話を、
みんなに同じものを目指そうよ!とか、
サイゼリヤを好きになってほしくてしてるんじゃないです。
「あなたらしさ」というものを手に入れて欲しいな、
と思って、この話をしてるんですよね。
今してる話を表面で捉えてしまうと、
・売り上げ高=社会貢献
・安いは正義
・経費は節約しろ
・愚直に改良しろ
Etc…
というふうにボクが言ってるように感じちゃうかも知れません。
×でもそれは「サイゼリヤらしさ」だから。
◎ボクらしさや、あなたらしさではないです。
ボクがみんなにして欲しいのは、2日前に話した、
「優先順位の見直し」です。
ボクはあなたに、『らしさ』を発揮して欲しいんです。
あなたの価値観を「いいね!」と言ってくれる人に囲まれて生きる
人生を送って欲しいと思って、こんな話をしています。
別に社会貢献しなくたっていいし、
一つの業態を何十年も改良し続けなくてもいい。
なんか正しい生き方のように見えるけど、
それは、正垣会長の「らしさ」だから。
あなたにとって、
・豊かさってなに?
・人生で大事なことにしているものは?
・何が許せない?
・どんな人生にしたい?
・自分が共感する『生き方』は?
という問いへの『答え』が、
あなたらしさを作ってくれます。
そして、そのらしさに従った生き方をしていくことで、
「あなたのファン」ができるわけですね。
その人たちは、
・あなたが稼いでるから
・あなたが役に立つ情報を発信してるから
・あなたが自分の得になるから
ではなく、あなたに共感して、集まってくれる。
それが今の「時代性」だと思うのです。
そのためのヒントとして、
「定義づけ」というアイデアを共有させてもらいました。
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正しさより「らしさ」
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これもマイ格言に入れさせてもらいます〜!
明日に続きます。
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