まなみちゃんの幸せ。

まなみちゃんの幸せ。

ー誕生ー

看護師さん「はい、いきんで!」

さとみ「んんんんんっ!!!」

看護師さん「もう一回っ!がんばって!もう頭見えてるわよっ!」

さとみ「んんんんんんん~~~っ!!」

看護師さん「そう、そう!もうすぐ!もう一息!!」

オギャアー!オギャアー!!

看護師さん「お疲れ様~!!ほら見て、かわいい女の子。お母さん似の美人さんよ」
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ー病院でー

だいすけ「目が、お前似じゃないか」

さとみ「でも鼻と口はあなたね」

だいすけ「名前どうしようかな。考えてた『まなみ』でいいか?」

さとみ「うん。私から一字とって、『みんなから愛される』ように、『まなみ』ね。」

だいすけ「俺も仕事がんばるよ。出世もする。無駄遣いもしないようにするね。父親になると価値観変わるていうけど、本当だな。」

ー娘が4歳になった元旦ー

さとみ「あなただけのお給料じゃ不安だから、
今年は、仕事を始めようと思うの。
この子の幸せのためにも、貯金しなきゃね。
もしあの子が私立に行く、なんてことになったら、お金かかるもの」

だいすけ「ごめんな、俺もがんばってるんだけど、なかなか給料上がらなくて」

さとみ「ううん、しょうがないわよ、このご時世だもん。力を合わせて、まなみのためにがんばろう」
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ーその年の4月ー

さとみ「まなみは明日から、保育園に行くのよ。いい子にしてね。お友達と、いっぱい遊ぶのよ」

まなみ「わかった。いい子にしてる」

さとみ「大丈夫?さみしくない?」

まなみ「大丈夫!お友達できるの楽しみ」

(聞き分けのいい子だわ。誰に似たのかしら。きっと私ね。ふふふ)

ー仕事が始まって、保育園の朝ー

さとみ「まなみ、早く起きなさい」

まなみ「やだやだ、保育園行きたくない。お母さんと一緒にいたい」

さとみ「お母さんお仕事でしょ。行かないといけないの」

まなみ「やだもん!今日はおウチにいるの」

さとみ「わがまま言わないで。お母さんも行かなきゃいけないんだから」
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ーパート先でー

さとみ「すいません、すぐ着替えます」

店長「さとみさん、遅刻は困りますよ。あなたに合わせてお店を開けるわけじゃないんだから」

さとみ「申し訳ありません、以後気をつけます」

(ユニフォームに着替える)

同僚「さとみさん、子供さん4歳だから大変でしょう。
店長はああ言ってるけど、あんまり気にし過ぎちゃダメよ」

さとみ「いえいえ、私が悪いんです。明日から気をつけます。」
(明日からあと20分早く起きなきゃ)

ー別の日ー

さとみ「まなみ、朝ごはん食べなさい」

まなみ「気持ち悪い。食べたくない」

さとみ「どうしたの?大丈夫?あらっ、あなた熱があるんじゃない?測りましょ」

まなみ「のどもいたい。」

さとみ「あらやだっ38度!(これは今日はパート行けないわね)」

さとみ電話「すいません、娘が熱を出しまして・・・。
はい。はい。申し訳ございません」
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ー夏休みー

だいすけ「母さんが、今年も盆は、まなみを連れて来いってさ」

さとみ「ええっ!あたしシフトもあるし、そんなことできないわよ」

だいすけ「でもまなみだって、ウチの両親に会うのは年に一回なんだから」

さとみ「そんなこと言われたって、無理なものは無理よ。
こないだだってまなみが熱出して、お店にすっごく迷惑かけたんだから」

ーまた別の日ー

だいすけ「ただいま。昇進発表があって、、、片岡が選ばれたよ・・・」

さとみ「えっ!だって部長さんが、次の昇進はあなただって言ってたんでしょう?」

だいすけ「うん・・・」

さとみ「じゃあなんで?このプロジェクトが成功すれば昇進できるんだから
、残業多くなるのはしょうがないって言ってたじゃない。
だからあたしだって仕事があって大変なのに、
あの子の送り迎えもして家事もしてってやってるのに!」

だいすけ「いや、そうだけど、会社にだって都合があるんだからしょうがないんだよ」

さとみ「じゃあ、お給料は変わらないってこと?」

だいすけ「うん・・・・」

さとみ「それじゃあどうするの?
これから教育費だって払わなきゃいけないし、ローンだってあるのに!」

だいすけ「仕方ないだろ!俺のことばっかり責めるなよ!」

さとみ「なによ!私のせいだってゆうの!?」

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ー小学校2年生のときー

さとみ「まなみ、よく聞いて。
お父さんとお母さんは、これから別々に暮らすことになったの。」

まなみ「うん・・・。」

だいすけ「(じっとまなみを見下ろす)」

さとみ「どっちと一緒に暮らしたい?」

まなみ「・・・・・」

さとみ「まなみ、どっちと暮らしたいの?」

だいすけ「そんなに急かすなよ。」

さとみ「あなたは黙ってて!」

まなみ「・・・・・」

だいすけ「いいから、ゆっくり考えるんだよ。
お父さんは大丈夫だから。お母さんと暮らしたかったら、そう言うんだよ」

ー時は流れて、まなみ28歳のときー

まなみ「こうやって3人でご飯を食べるのも、久しぶりだね」

さとみ「そうね。あれはあなたが小学校2年生のときだから・・・」

だいすけ「ああ、うん。そうだな。もう20年前になるな」

まなみ「お父さんには電話で知らせたけど、私、結婚することになったから。」

だいすけ「おめでとう」

さとみ「おめでとう。花婿のたかしくんも、すっごくいい人なのよ。」

まなみ「二人揃って結婚式に出て欲しいと思ったから、
前もって顔合わせしておこうと思って」

だいすけ「もちろん、喜んで参加するよ。
たかしくんと会うのも楽しみだよ」

さとみ「あなたの晴れ姿だもの。いい日にしなくっちゃね」

ー結婚式ー

親友A「おめでとうっ!!」

親友B「まなみ超キレイだよ」

まなみ「ありがとう!本当にうれしいわ」

さとみ「(泣)」

だいすけ「・・・感慨深いなあ。娘が嫁入りかあ。なあ」

さとみ「うん。」
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ーその夜、バーのカウンターでー

だいすけ「お前と、こんなところに来たの、
結婚前だから、もう本当に昔だな」

さとみ「そうね。ふふふふ、あのとき、
あなたウィスキーなんて飲んだことないのに、
無理して慣れてる風を装って。
やだ、思い出して笑っちゃう。ははははは」

だいすけ「ははははは。しかも2杯ずつしか飲んでないのに、
会計が1万円超えてたから、目ん玉飛び出たよ」

さとみ「そうそう。あなた手持ちが足りなくて、
私あのときお金貸したのよね。
あんなデートだったのに、よく結婚したわね、私たち」

だいすけ「ははははは笑」



だいすけ「・・・まなみ、幸せになるといいな」

さとみ「そうねー。私たちは、
あの子に幸せなハッピーエンドを、見せてあげられなかったから」

だいすけ「なあ、俺今でも考えることがあるんだよ。
もしあのとき、ほんのちょっと、こうしてたらなあ、って」

さとみ「そうね。今日も、結婚式に出ながら、色々考えてたわ。
今日のこの日も
本当はあなたと夫婦のまま出席できていたら、
まなみにとっても、違う結婚式になってただろうなって。」



だいすけ「なあ、もし、もしもだよ。あのときの自分にアドバイスできるとしたら、なんてアドバイスする?」

さとみ「そうねー。『幸せは、優先順位なんだ』って言うかな」

だいすけ「優先順位?」

さとみ「うん。私たちがケンカをしたのって、お金のことでしょ?
なんでお金でケンカになったのかって、『まなみの幸せ』がかかってたからじゃない」

だいすけ「うん、そうだな。」

さとみ「だから、私たちの優先順位って、『まなみの幸せ』だったと思うの。
まなみの幸せが、『私たちにとっての幸せ』。
それなのに私たち、まなみにかわいそうな思いをさせちゃった。なんでだと思う?」

だいすけ「オレらが優先順位を忘れてたってこと?」

さとみ「そうだと思うんだよねー、私は。
例えば、お盆にあなたの実家に連れて行かなかったことあったでしょう?」

だいすけ「ああ、そういうこともあったな」

さとみ「だって、私、まなみのこと、『みんなに愛されるように』って、名前をつけたのよ。
それなのに、まなみのために始めた仕事が理由で、
まなみを愛してくれてるおじいちゃんとおばあちゃんと会う時間をつくらなかったのよ。」

だいすけ「ああ、そうか、矛盾してた、って言いたいんだね」

さとみ「幸せって、『全部を叶えよう』って思っても、できないと思う。
どっちかを選ばなきゃいけない。そのときに、『なにを優先するのか』を忘れないでいることが、
幸せへの道なんじゃないのかな、って」

だいすけ「そうか。そういえば、オレも『自分の給料が安いこと』をコンプレックスに思ってたなあ。
そうか。お前が言う優先順位のことを分かってれば、
あのとき『別に私立に行かせられなくたっていいじゃないか』って言い切れてたのかもしれないな」

さとみ「ああ、そういうふうに考えることも、できなかったわね、あのときは。」

だいすけ「そうだなあ。『今日、この日』から考えれば、そう考えられなかったことのほうが不思議だけどな。」

さとみ「でも、一生懸命やったわよね、私たち。
あなたも養育費、がんばって送ってくれたし」

だいすけ「たいした金額じゃなかったから、結局まなみは公立の学校に行ったけど、
こうやって幸せな日を迎えられたもんな。子育て、お疲れ様」

さとみ「ふふふ。ありがとう」



だいすけ「なあ、オレたちもしかして、今からでも・・・」

さとみ「それは無理。」

だいすけ「・・・あっ、そ、そう・・・( ;´Д`)」

イラストFin

 

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